バックドラフト(backdraft)
誰もが聞いたことのあるワードではないでしょうか。
というのも、バックドラフトは映画のタイトルになっていますし
バックドラフト2の映画が公開されるほどです。
カートラッセル主演のバックドラフトは私にとって衝撃の映画作品であり、モチベーションの向上にもつながりました^^
また、usjでもアトラクションとしてありますよね!
usjに行ったことがある方は分かると思いますが、バックドラフト(backdraft)はあの演出のような爆発燃焼現象です。
映画、usjと話題性のあるパワーワードですが、
では、具体的にどのような状況でバックドラフトという現象がおこるのでしょうか。
消防士が恐れるバックドラフト(backdraft)とは

火災により室内の酸素が欠乏し、不完全燃焼の室内の中に何らかの原因で新鮮な空気が流入することで発生する爆発的な燃焼現象。
燃焼は火災の三要素(ファイヤートライアングル)が成立しなければ燃焼することができません。
火災室内の燃焼では多くの空気(酸素)を消費するわけですが、
新鮮な空気の流入がなければ、燃焼は不完全燃焼となります。
そのような状況下で、窓ガラスが割れたり不用意に開口部を開けたりすることで
一気に爆発的な燃焼が起こります。
これがバックドラフトという現象です。
バックドラフト(backdraft)名前の意味

バックドラフトの名前の意味を理解するためには、バックドラフトという単語を2つに分ける必要があります。
火災室内から外に吹き出して扉などを押し戻すことを(バック:back)
(→消防士の方向にバックしてくる)
強い気流を(ドラフト:draft)と言います。
この2つを合わせてバックドラフト(backdraft)となります。
バックドラフト(backdraft)が起こる要因

バックドラフトは酸素が欠乏した火災室内において新鮮な空気が流入することで発生する燃焼現象でしたよね!
では、バックドラフト(backdraft)が起こる要因を考えてみましょう
1.現代住宅 高気密高断熱で密閉率が高い


昔の住宅は木造の一軒家で密閉率が低く、隙間風が入ってくるような構造でしたが
現代の住宅は、高気密高断熱で密閉率が高くなっています。
そのため、火災発生後は新鮮な空気の流入がなく、不完全燃焼を引き起こします。
これがバックドラフト(backdraft)という現象の要因の一つとなります。
2.消防隊が不用意に開口部を開けることで新鮮な空気が流入する


火災室内では、急速に温度が上昇していきます。
外部の温度と火災室内の温度の差が約70℃になった時、多くの場合は火災室内の方向に窓ガラスが割れるでしょう。
また、開口部を開ける=新鮮な空気が流入する
というわけですから、バックドラフトが発生する可能性が十分にありますよね。
さらに、窓ガラスが割れることでもう一つ発生する可能性のある現象
それがフラッシュオーバーです。






フラッシュオーバーとは火災室内の可燃物から熱分解ガスが発生し可燃性ガスが滞留、
その可燃性ガスがある時期に一気に燃え出す現象でしたよね。
バックドラフトは密閉率が高い室内で酸素が欠乏→新鮮な空気の流入で発生するのに対し
フラッシュオーバーは不完全燃焼の可燃性ガスが溜まった室内→ある時期(発火点に達する温度)に一気に燃えだす現象です。
この2つの違いを理解することは火災の基本であると言えます。
まとめ


今回はバックドラフト(backdraft)について学びました。
バックドラフトとフラッシュオーバーには明確な違いがあります。
燃焼の三要素を理解し、今バックドラフトやフラッシュオーバーが発生する状況であるのか、
しっかり分析することが自分の命を守る行動につながります。