火災の燃焼が起こった際、果たして熱はどのように伝わっていくのでしょうか。
基本的に、火災の燃焼での熱の伝わり方は、温度が高い方から低い方へ伝わっていきます。
この基本原理の例として、例えば水の中の氷。
水と氷では氷の方が温度が低く、水の温度の方が高いですよね。
したがって、水は温度が低い氷へ温度を伝えるため、氷はどんどん溶けていくというわけです。
火災の場合でも、温度が高い方から低い方へ伝わりますが、どのような伝わり方をしていくのでしょうか。
ぜひ最後までご覧ください^^
火災の燃焼で熱を伝える伝導
物質に熱エネルギーが移動すること。
物質に熱エネルギーが移動するためには、熱源と物質が接触する必要があります。
そのため、伝導は通常の場合、局所的なものになります。
ガスコンロの上に置くフライパンを想像してみてください。
フライパンとガスコンロの火が接触して、伝導により熱を伝えます。
木材と銅の熱伝導率は異なるのか
木材の熱伝導率は、銅に比べて非常に低いです。
木の枝を手に持って燃やしていても、持っている手付近までは熱くならないですよね。
それもそのはず、木の熱伝導率は低いからだと言えます。
木を長時間、火にあぶっていれば、熱伝導する前に発火点に達し、燃えてしまいます。
火災では、発生した高温の熱気が燃料となるものに接触し、熱伝導していきます。
火災の燃焼で熱を伝える対流
流体(気体、液体)の流動により温度の異なるほうへ温度が伝わること。
先ほどの熱伝達は熱源である火に直接接触することによって熱が伝わりましたが、
対流は、周囲の空気などによって起こる熱移動です。
つまり、対流による熱の伝わり方は動いている流体(空気等)が動くことによって熱を伝えています。
先ほどと同様、温度が高い方から低い方へ伝わっていきます。
火災での対流 自然対流 強制対流とは
対流は主に自然対流と強制対流に分かれます。
自然対流では、火災によって温められた可燃性ガスや煙が膨張することで軽くなり、上昇します。
その浮力により自然と対流が生まれます。
強制対流では、自然対流の浮力以外にも外部からの力が加わることにより発生します。
強制対流が起こり得る外部からの力とは、自然の風や故意的に送る風が挙げられます。
その結果、対流の速度が早くなり火災が拡大していきます。
火災の燃焼で熱を伝える放射(輻射)
電磁波によって放射する物体から、離れたところに熱エネルギーを運ぶこと。
エネルギーは電磁波で伝わるため、言うなれば光の速さで伝達します。
火が燃焼している時の部屋の中では、火に近い壁は輻射熱を受けていると言えるでしょう。
この輻射熱が火災の拡大の大きな原因となります。
輻射熱を浴び続ければ、火に接触していなくとも、発火温度に達します。
火がなくても、発火するということは爆発的に延焼が拡大していくことになります。
ちなみに、輻射熱の影響は距離が極めて重要です。
火からの距離が遠いほど、輻射熱は小さくなりますし、
逆に火からの距離が近いほど、輻射熱は大きくなります。
たき火で暖まる時も、近いと暖かいし、遠いと寒いですよね。そんなイメージです。
また、距離が2倍に広がれば輻射熱は4分の1になりますので、距離及び熱源の大きさを抑える事が消火につながるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
火災の燃焼は熱伝導、自然対流、強制対流、放射熱、輻射熱によって伝わります。
燃焼中の燃料から、次の燃料へこれらの方法で伝わっていくので
これらを判断し、火災の消火につなげていく事が重要になってきます。