空気中の酸素濃度って何パーセントだと思いますか??
答えは、約21パーセント。
空気中に含まれる酸素の割合は21パーセントなんです。
小学校、中学校で習った記憶がありますね。大人になっても役立つ知識を教えてくれた先生方に感謝します笑
さて、話は変わりますが、ここで考えてみてください。
火災の時の空気中の酸素濃度は、通常の酸素濃度と同じでしょうか?
高い?低い?変わらない?
実は、燃焼によって酸素が消費されるため、酸素濃度が下がっていきます。
では、何パーセントくらいになったら火災の燃焼は止まるのでしょうか。
今回の記事では、空気中の酸素濃度によって、火災の燃焼はどう変化していくのかについて、
詳しく見ていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください^_^
空気中に含まれる物質をおさらいしよう!
まずは、下記の表をご覧下さい。

引用元:DAIKIN
https://www.daikin.co.jp/school/class02/lesson01/
この表からわかるように、空気中に含まれるうちわけは、窒素78パーセント、酸素21パーセント、二酸化炭素他1パーセントになります。
火災の燃焼に重要になってくる、酸素濃度21パーセントは、空気中においてこのようなうちわけになっているんですね!
空気って燃えるの?
ものが燃えるには空気中の酸素が必要です。
つまり、可燃物と酸素と結びつくことで、燃焼が起こっているんです。
では、その他空気中に含まれる窒素や二酸化炭素は燃えるのでしょうか?
答えは、どちらも燃えることはありません。
仮に窒素100パーセント、あるいは二酸化炭素100パーセントの条件下で燃焼させようとしても、すぐに消えてしまいます。
つまり、燃焼において、空気中の酸素以外の物質は必要がないことがわかります。
火災の燃焼によって酸素濃度が減少したらどんな影響があるのか

火災の燃焼では、酸素を消費します。
つまり、新しい空気が入ってこない状況で可燃物が燃焼したところで、酸素濃度が減少し燃焼は止まります。
では、酸素濃度の減少でどんな影響があるのでしょうか。
・燃焼の範囲がせまくなる
・点火するためのエネルギーは通常時より必要になる
基準として、酸素濃度が16パーセントを下まわると、燃焼は著しく阻害されてしまいます。
また、15パーセント以下になると、燃焼ができない状態になり、燻り続けるでしょう。
この燻り続ける状態が大変危険なのです。
酸素濃度15パーセント以下で燻ることによる危険性

酸素濃度が15パーセント以下になると、可燃物は燃焼できなくなり、燻り続けます。
この状況でも、周囲の温度が高ければ、継続して熱分解をおこしますよね。
熱分解を起こし続ければ、継続して可燃性ガスが発生します。
熱分解については、こちらの記事をご覧ください。

閉鎖された部屋の中で、酸素濃度が15パーセント以下で可燃物が燻っている状態のとき、
ドアを開けることによって、部屋の中はどう変化するでしょうか。
ご存知の方も多いでしょう、これがバックドラフトです。
閉鎖された部屋に酸素が取り入れられて発生する【バックドラフト】とは
このように、酸素濃度が15%以下の燻っている状況かつ、閉鎖された部屋の場合、
酸素が一気に取り込まれることによってバックドラフトという現象がおこります。
具体的な変化としては
・燃焼の範囲が広がる
・点火するためのエネルギーが通常時より必要ではない
いままで、燻っていた可燃性ガスに着火することで、室内は爆発的な燃焼を引き起こします。
消防士の死者の多くは、このバックドラフトによって引き起こされているとも言えるでしょう。
まとめ
室内の酸素濃度を把握することは、なかなか困難を極めます。
いくつかの特徴があるのは事実ですが、思いもよらない事態も起こり得るのが火災です。
一気に燃焼するときや、今回のバックドラフトのように、爆発的に燃焼する時などさまざまですが、
燃焼について理解しておくことで、その前兆を少しでも早く察知することができるのではないでしょうか。