今回のテーマは熱分解について。
熱分解というのは、カンタンにいうと熱によって物質が分解され、他の物質へ変化することを言います。
では、どのような変化が起こるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
熱分解とは
燃焼は酸化反応であることは、以前から解説している通りです。
一方で熱分解とは、無酸素または低酸素状態で加熱することにより、物質が分解性生物など様々な物質へ変化することを言います。
無酸素状態で燃焼すると、熱分解が起こるんですね!
熱分解の加熱と分子間結合の関係

固体、液体、気体の分子はそれぞれ結合状態が異なります。
その分子間結合は加熱によって、どんな変化があるのでしょうか。
加熱とともに、分子間結合は弱まってくるのが特徴です。
分子結合状態は加熱によって弱まります。
また、液体→気体になるにつれ、動きが活発になり分子は外へ放出されます。
したがって、気体の分子は固体と比べて少数かつ動きが活発になります。
物質が熱を持つとどうなるのか
物質が固体→気体になるのつれ、分子間結合が弱まり分子が外に放出されるんでしたよね!
そのほかにも、重要な特徴があります。
それは、少数になった分子の動きが活発のため、分子同士がぶつかり合い熱を発生させます。
火災の際に熱分解によって発生する熱の特徴
一般的な火災では、輻射熱(ふくしゃねつ)によって熱せられた物質が熱分解を起こします。
たとえば、木材の燃焼の様子を見ていきましょう。
このような経過で火災は拡大していきます。
可燃性ガスの発火点については、こちらの記事をご覧ください。

熱分解によって発生するガスの特徴


木材が熱分解されて発生したガスは、水分(水蒸気)、二酸化炭素、一酸化炭素、炭化水素、メタン等さまざまです。
前述した通り、木材は水蒸気→可燃性ガスの順番で発生します。
では、合成物質等はどうなのでしょうか。
合成物質等は、水分の含有量がほとんどないため水蒸気の発生が少量になります。
つまり、火災が発生し白煙が上昇する時間が短くなってきます。
ちなみに、燃焼する物質のよって煙の色は変化していきますので、見極める事が重要です。
まとめ
いかがでしたか。
今回は熱分解について解説しました。
木材に比べて合成物質等は可燃性ガスの発生が早いと言えます。
今の一般住宅に多いのはどちらか。
ほとんどの物質は、合成物質などの石油製品です。
つまり、近年の住宅火災では、木材が少なく合成物質が増えてきているため火災の進行が早いと言えるでしょう。
それぞれの燃焼の特徴を理解した上で、活動にあたりましょうね。