地球上に存在する可燃性物質は、液体、固体、気体に分類されます。
これを物質の三態というのですが、それぞれどのように燃焼していくのでしょうか。
今回は、燃焼の中でも物質の三態である液体、固体、気体の3つに焦点を当て、解説していきます。
ぜひご覧ください。
物質の三態
冒頭で記載した通り、地球上に存在する可燃性物質は、液体、固体、気体に分けられます。
可燃性物質とは、ガソリンをはじめ、木炭、石炭など無数に存在します。
その可燃性物質のうち、液体が燃焼する場合、固体が燃焼する場合、気体が燃焼する場合は、燃焼の仕方が異なってきますよね。
では、それぞれの燃焼について詳しく見ていきましょう。
液体の燃焼

液体の燃焼といっても、液体そのものが燃焼するわけではありません。
燃焼するのは、液体から蒸発(気化)した可燃性のガスです。
この可燃性ガスが空気と混合し、燃焼します。
燃焼しているのは、液体ではなく可燃性ガスです。
固体の燃焼

固体の燃焼は、蒸発燃焼、分解燃焼、表面燃焼に分類されます。
蒸発燃焼
例としてろうそくが挙げられます。固体が分解後、蒸発することによって可燃性ガスが発生し、
そのガスが燃焼します。
つまり、液体燃焼と似たような燃焼ってわけですね。
分解燃焼
加熱によって起こされた熱分解で発生した可燃性ガスが空気中の酸素と混合し着火する燃焼です。
例として、木炭の燃焼が挙げられます。
表面燃焼
表面燃焼とは、固体の表面だけが燃焼するもので、例として木炭が挙げられます。
木炭は、固体の表面の炭素と空気中の酸素が反応して燃焼します。
ちなみにこの木炭の表面燃焼は無炎燃焼とも呼ばれ、通常起こるはずの熱分解が起こりません。
バーベキューの炭のような燃焼が、表面燃焼(分解燃焼含む)なんですね。
気体の燃焼

気体の燃焼は定常燃焼と非定常燃焼に分類されます。
さらに定常燃焼は混合燃焼と非混合燃焼に分類されます。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
定常燃焼
定常燃焼とは管理された通常の燃焼のことです。
この定常燃焼は「混合燃焼」と「非混合燃焼」に分類されます。
混合燃焼
混合燃焼とは空気と効率よく混合された燃焼のことを言います。
例えばガスバーナーの燃焼を想像してみてください。
ガスバーナーの炎の色は薄い青色ですよね。
それは、酸素と可燃性ガスの濃度が均等であり、完全燃焼している事を表します。
つまり、最も効率の良い混合比となっている燃焼ということですね。
非混合燃焼
非混合燃焼とは、空気中に噴射された可燃性ガスが空気中の酸素と混合された燃焼のことを言います。
例えばろうそくの炎を想像してみてください。
ろうそくの炎の色は主に黄色やオレンジ色ですよね。
それは、空気中の可燃性ガスに対する酸素の割合が場所によって異なっていることを表します。
場所によって異なる燃焼は、管理された燃焼ではありません。
つまり、不完全燃焼であり煙を発生させます。
まとめ
いかがでしたか。
今回は物質の変化や燃焼についてみてきました。
火災では、燃焼について、ひとまとめにしてしまいますが、それぞれの燃焼形態を理解する事が大切です。
ひとつの判断材料になりますよね。
建物からの炎の色の変化によって温度や燃焼形態を推測することは、重要なスキルです。
そのためにも、物質の三態について今一度理解を深めましょう。
燃焼は酸化反応ですが、それとは別に熱分解についても理解していますか?