〜この記事は①〜⑤までの5部構成でお送りします〜
心臓や呼吸が止まってしまったら・・・
安全を確認する
反応(意識)を確認する
119番通報と人を集める
呼吸の確認
胸骨圧迫(心臓マッサージ)
人工呼吸
AEDの使用
AEDの使用と心配蘇生の継続
気道異物を取り除く方法
乳児の救命処置
まとめ
・人が目の前で倒れたときの行動に不安がある人
・倒れた人がいたら、どこを見ればいいのかわからない人
・人が倒れた人に何をしてあげればいいのか、わからない人
こんな疑問を解決できます。
前回の記事の続編になります。まだ読んでいない方はこちらから↓
https://simesabajp.com/kyuukyuusyagakurumadeni/
胸骨圧迫(心臓マッサージ)

傷病者に普段どおりの呼吸がない場合、またはその判断に自信が持てない場合は心停止と判断します。
つまり、すぐさま胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始します。
胸骨圧迫をすることで
=心臓を人工的に動かす
ことができます。
それでは、実際に胸骨圧迫(心臓マッサージ)をおこなう際のポイントや注意点を見ていきましょう。
胸のどこを押せばいいの?
胸の真ん中にある胸骨の下半分の位置です。
もっと分かりやすくいうと、乳首と乳首を結んだ線の中心のちょっと下です。
胸骨は頑丈ですので、上から押さえつけたところで折れる心配はありません。
どんな姿勢でやるの?
実は、姿勢が大変重要です。姿勢が悪いと、効率的な心臓マッサージができなかったり、自分自身が腰をいためる可能性があります。
背筋を伸ばして垂直に押すこと、これが最重要です。
よくドラマなんかでやっている胸骨圧迫の姿勢は、斜めに圧迫していますが、
そんな姿勢でやっていては、医療従事者としてはクビです。笑
先ほど説明した、胸骨の下半分を重ねた手で強く、速く、絶え間なく圧迫します。
手の置き方は?
・もう一方の手をその上に重ねる
・両手の指を互いに組んで、上の手で下の手の指を持ち上げる
手のひら全体で押すのではありません。
強く圧迫するためには、手の付け根で1点に力を加えます。
また、圧迫したらしっかり戻すことが大切です。
手のいちを元の位置まで戻すことで、血液も戻ってきて本来の血液循環に近い動きができます。
強く押す深さってなにか目安はあるの?

約5cmです。5cmは単三電池の長さとほぼ同じです。(わかりやすい!)
なお、小児や乳児の場合は胸骨圧迫の深さが変わってきますが、そちらは【救急車が来るまでに】⑤でお話しします。
どんなリズム、テンポでやるの?
1分間で100から120回と言われています。
つまり、1秒に2回行かないくらいです。
なんかわかりにくい・・・
歌のリズムで考えると、わかりやすいですよ!
例えば
やってみてくださいね^^
(気が動転していても、歌を口ずさむくらいの余裕がないといけませんよ!)
胸骨圧迫(心臓マッサージ)ポイント
・約5cmで押したら元の位置まで戻す
・肘を伸ばして垂直に押す
・胸骨圧迫の中断時間をできるだけ減らす
人工呼吸

胸骨圧迫(心臓マッサージ)が30回終わったら、直ちに気道を確保し人工呼吸を行います。
※近年、新型コロナウイルス感染症等もあり人工呼吸の実施はしなくても良いものとされています。
感染防護具(一方向付きの感染防止用シートや人工呼吸マスク)を持っている方は、実施しましょう。
それでは人工呼吸の方法を紹介します。
気道確保(頭部後屈あご先挙上法)
気道確保とは、傷病者の喉の奥を広げて空気を肺に通しやすくするものです。
片手を額に当て、もう一方の手の指2本をあご先に当てて、頭を後ろにのけぞらせ(頭部後屈)、あご先をあげます。(あご先挙上)
指で下あごの柔らかい部分を強く圧迫しないようにすることが大切です。
人工呼吸(口対口人工呼吸)
気道確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。
口を大きく開けて傷病者の口を覆い、約1秒かけて吹き込みます。そのとき胸が上がるのを確認します。
※イラストでは胸の上がりを見ていませんが、必ず見てください。
一旦口を離し、同じ要領でもう一度吹き込みます。
・人工呼吸中の胸骨圧迫中断時間は10秒まで
・出血等やためらいがあるときは人工呼吸をする必要はありません
※胸骨圧迫で体の血液を循環させることが最重要です
心配蘇生の継続

胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回の30:2のサイクルで行います。
救急車の音が聞こえても決してやめることなく、救急隊から指示があるまで続けてください。
救助者が二人いる場合は1〜2分毎に交代し、胸骨圧迫の質を下げないように心がけましょう。
【救急車が来るまでに】まとめ

・胸の真ん中(胸骨の下半分)を圧迫
・強く(単三電池の長さ分:5cm)
・速く(1分間に100〜120回のテンポ)
・絶え間なく
・圧迫したら、元の位置までしっかり戻す!
・口対口で鼻をつまみながら息を吹き込む
・胸が上がる程度
・1回に約1秒かけて
・2回続けて試みる
・10秒以上かけない
いかがでしたか。
今回の記事はかなり短くまとめたつもりです^^
次の記事ではAEDの取り扱いについて解説します。
ぜひご覧ください。